前置き

古代日本謎の中東思想渡来考
(原題:古代日本にカバラが来ていた )

 

沿革

1989年 学研ムー・ミステリー大賞優秀賞受賞 「古代日本を動かしたカバラ思想の謎」
1995年 市販流通本 「古代日本にカバラが来ていた」鹿砦社 (当記事はここから収録)
2014年 HP記事 「神世政変の真実」
2017年 発見記事 「高御位山とウシトラコンシンロマン」

 

こでの発見と解釈

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ヤタのカラス。
ヤタは非常に広大なという意味と、ヤ(たくさんの)タ(測量された土地)とした上で、
カラ(宇宙に視点を置いた)ス(図)という意味を内包するものと考えております。
つまり、高空鳥瞰地図というしだいで、地図と写真を同時表示する衛星画像のようなものになっているようなことかと考えます。

上図はヤタガラスの俯瞰概観図を想定していますが、カラスの嘴にあたるカササ(笠沙)に始まり、
カラスの尾羽を、尾張という場所で示したものと解します。
尾張は現熱田神宮が当時は海の中であったことから、元熱田として名古屋市守山区の
尾張戸神社位置を設定しています。
おはりへとは、尾を張ったときの外辺という意味です。

そして、尾張と終はり(終端)を掛けて示して、図形はここまでである旨、宣言していると見られます。
また、カササはかささぎというカラス科の鳥を暗示します。
神武天皇の軍を導いたのは、ヤタガラスという精巧地図だったと解釈すれば、暗号の謎も解けるかも知れません。
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これは、拙著の裏表紙で、右上、太陽神の使い(三本足の烏)が、中東の地 を飛び立ち、
精密地図を日本にもたらしたことを示します。
三本足とは、三角測量術の意味か? 確かなことはわかりません。

なぜ中東か。
そこには古代世界で神聖視された「黄金比率」の粋を駆使した”五芒星形”と”菱十字形”(ピラミッド幾何学と一致)
が存在しているからです。
しかも、幾何学図形の基礎には、緯度長(1緯度長は111km)が用いられていることが歴然としています。
つまり、地球の緒元を知っている何者かがいたことになります。
このような前例は、古代を辿るなら、オリエント以外に私は知りません。
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上図菱型の上(下)部は大ピラミッドの側面幾何学と相似します。
五芒星形、菱十字形ともに、黄金比率を採用していることになります。
図中Ф=1.618 ④=111km ③=172km/2
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五芒星と十字を共に使うのがカバラです。
大事な典礼魔法の儀式のすぐ前に、会場を清浄にする追儺の儀式がこのシンボルによって行なわれます。
典礼魔法はカバラで最も重要な生命の木のシンボルを対象にするものです。
W.バトラーによれば、カバラの修法で大事なのが「中央柱の回流」儀式であるとされます。
これは「ケテル」に始まる縦のルートに霊的エネルギーを巡らせる儀式です。
そこで畿内にこのシンボルの痕跡を求めたところ、形はいびつですが、照応関係が認められたのが次の図形です。
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ということは、古代の知られざる謎の時間の中でカバラの魔法儀式が、しかも非常に広域的な空間で行なわれていたことになるかも知れません。
この研究論文記事は、その謎を推理するものであり、1990年において一応の解答をまとめたものになっています。
それから30年を経て、新たな発見が重なり、この遺構が何の目的で使われていたかについても推理が及ぼせるようになったと考えております。
この記事論文は、奥深い真相を究明するための基礎を為す入門編という捉え方でいいかと思います。